美しさというかティファニーの世界とは違う

ご機嫌に女の子がスキップをしながら、その子にはふさわしくない不自然な歌を歌っていた。グッチ
年は14歳くらいの、身長も小さくて可愛らしい女の子。
髪の毛は長い金髪のクセ毛で、目は赤色でまん丸だった。
そう、一見は可愛らしい女の子。でもその女の子周りの状況はなんかおかしい。
おかしい…というか普通の世界とは違う。いや、普通と比べてはいけないのかもしれない。
ここは、極熱の火があり、水が一滴もない乾いた大地、苦しそうな人間達の悲鳴、水の変わりをするのは誰のかさえも分からない血、バケモノと言うのにふさわしい鬼達。
そう、ここは―…地獄なのだから。
陰陽師ですらわからない。俺が鬼になった理由って一体なんだって言うんだよ…。
なんだ…?俺の左にある心臓が圧迫されたように痛い。苦しい。
俺は、自然に前かがみになって、左の心臓にあたる服を思いっきり掴む。ティファニー
「……はは…わ…笑えるよな、陰陽師ですら理由が分からないなんて…でも、っま!!きっとたいした理由でないんだよ。気にするなよ鬼山!!」
桃は桃なりに俺に気を使っているようで俺を励まそうとする。
普段の俺だったら、「ウルセー、桃。お前に気にされる筋合いはねーよ。逆にキモイ」って逆に笑いとばしてやるところだが…はは…やべぇ…苦しい。
今回の俺は桃に反論する余裕もねー…。
平和?この状況を平和と言う少女は一体何なんだろうか?
「猿木さん」
ふいに少女の頭上から少女の名前が聞こえる。ティファニー 1837
猿木、どうやらこの金髪の人形のように可愛い子の名前のようだ。
猿木の頭上にはギンギンと熱い太陽以外には何もないはずなのに…。
「ぁ?白フクロウじゃん!!」
猿木は、はるか頭上にいる白いフクロウに向かって指をさす。
「こんにちは」
「こにゅちは(舌かんだ)白フクロウ?」
白フクロウはスゥーっと猿木の肩にとまり羽を休める。
真っ白な羽は気のせいか湿気をおびていて、白フクロウはとても暑そうに思えた。
「ここ(地獄)はまるで、鉄板に焼かれている卵焼きのようにジュージューと熱いから嫌ですよ」
白フクロウは不愉快そうに首を90度にしながら、猿木にそう告げる。
「早くいったほうがいいんではないですか?猿木さん?」
「下界のことを早く言え――!!バカフクロウ」
「私がバカフクロウだったらアナタは、微生物です。いや、それ以下です。でもしかし…ナゼ今回あの子を鬼に選んだのですか?」
白フクロウがはるか上空で走っている猿木に尋ねる。
猿木は息を切らしながらでも、ニッコリと白フクロウに微笑みながら言う。ティファニー ロック
「それは…彼が可哀そうなくらい可愛いからだにょ(舌かんだ)」
「……よく意味がわかりませんよ」
白フクロウは苦笑をした。
バサ―――
そして一羽ばたきをして、赤い空へと白フクロウ消えていった。
乾いた赤い地面には、白い羽1つ落ちているのみである。ブルガリ ネックレス