そこにいた一人の女性に自分のティファニー イヤリングを渡したところ

パリスは、新しいリアリティ番組「ザ?ワールド?アコーディング?トゥ?パリス(原題) / The World According to Paris」の撮影でホームレス?シェルターを訪問。そこにいた一人の女性に自分のイヤリングを渡したところ、「オクラホマに帰ったら妹にあげて、リンジーにもらったって言うわ。でもあなた、リハビリ施設に入ってるんじゃないの?」とリンジーに間違われてしまった。パリスは間違いに気づき、「わたしはリンジーじゃないわ!」と笑いながら訂正。現場ではそんな様子だったようだが、編集で「わたしがリンジーなら、イヤリングはあげずに盗んでいるわ」とのパリスのナレーションが加えられ、番組予告としてインターネットで流されたのだ。
 ネックレスを盗んだ疑いで起訴されたリンジー?ローハンを笑いのネタにした元親友パリス?ヒルトンが、「考えなしの発言だった」と謝罪をした。
これを知ったリンジーは憤慨。パリスも反省はしているようで、申し訳なく思っているとTMZにコメント。「あんなコメントをしたことをリンジーに謝るわ。ジョークで言ったんだけど、考えなしで、言うべきじゃなかった」と語り、直接謝りたいからメディアを通して彼女に申し訳なさを訴えていると付け加えた。この発言から、どうもリンジーはパリスとの接触を拒否し、まだ許す気にはなっていないようだ。
E!オンラインによると、パパラッチに囲まれ、サイと一緒に裁判所の建物に入ろうとする直前、カメラマンの間からTシャツ姿の男が接近。サイの顔に水をかけたあと、彼の首をつかんだという。それ以上のことが起きる前にパリスとサイのボディガードが男を確保したが、犯人はなんと昨年10月にパリスの家に自転車で乗りつけて逮捕された別のストーカーだったのだ。襲い掛かった男ジェームズ?レインフォードは今年1月に執行猶予3年と20日間の社会奉仕活動を言い渡されているため、今回の事件は執行猶予違反に当たり、実刑判決が下る可能性も高い。ブルガリ ネックレス

 「パリスもサイもちょっとショックを受けたようですが、ボディガードがすぐに対処してくれたことに感謝しています」とパリスのスポークスマンはコメント。パリスは事件後、「オー?マイ?ゴッド! 裁判所に入る直前に、あのもう一人の気のおかしい侵入者が後ろからサイの頭に殴りかかったわ。すごく怖かった!」とツイートしている。ティファニー ロック

 パリスとサイが証言をした裁判では、犯人は第一級不法侵入罪に問われており、最大で禁固3年もあり得るという。
ラスベガス?レヴュー?ジャーナルによると、47歳のデヴィッド?チャールズ?シューベルトは3月20日にラスベガスの道端でコカインを買っているところを警察官に目撃され、逮捕されたとのこと。麻薬特別捜査班の一員でもあるデヴィッドの逮捕を聞いたラスベガス地方検事は、「麻薬を取り締まる立場にいる人間がコカインを使っている可能性があると知り失望した」とコメント。デヴィッドは停職処分を受けていたが、先日退職届を提出し、退任したとWENNは報じている。
ティファニー 1837
 逮捕後、保釈金を支払い自宅に戻っているらしいが、5月には共謀罪とコカイン所持の罪で出廷しなければならない。彼に起訴されたパリスやブルーノ?マーズは司法取引で罰金と社会奉仕活動を行っており、おそらくデヴィッド本人も司法取引を行うことが予想される。
グッチ
 デヴィッドの逮捕後、レーダー?オンラインにインタビューされたパリスの母親キャッシー?ヒルトンは、元検事補の逮捕は皮肉だと語り、「彼のような立場にいる人間は世間の手本であるべきです」とコメントしながらも、法廷で有罪の判決が出るまでは無罪であり、自分は他人の行動を批判することはしないと断言。マスコミに絶えず取り上げられたり、叩かれたりしているヒルトン家の一員としては、公平に成り行きを見守りたいとの考えを明らかにした。ティファニー

美しさというかティファニーの世界とは違う

ご機嫌に女の子がスキップをしながら、その子にはふさわしくない不自然な歌を歌っていた。グッチ
年は14歳くらいの、身長も小さくて可愛らしい女の子。
髪の毛は長い金髪のクセ毛で、目は赤色でまん丸だった。
そう、一見は可愛らしい女の子。でもその女の子周りの状況はなんかおかしい。
おかしい…というか普通の世界とは違う。いや、普通と比べてはいけないのかもしれない。
ここは、極熱の火があり、水が一滴もない乾いた大地、苦しそうな人間達の悲鳴、水の変わりをするのは誰のかさえも分からない血、バケモノと言うのにふさわしい鬼達。
そう、ここは―…地獄なのだから。
陰陽師ですらわからない。俺が鬼になった理由って一体なんだって言うんだよ…。
なんだ…?俺の左にある心臓が圧迫されたように痛い。苦しい。
俺は、自然に前かがみになって、左の心臓にあたる服を思いっきり掴む。ティファニー
「……はは…わ…笑えるよな、陰陽師ですら理由が分からないなんて…でも、っま!!きっとたいした理由でないんだよ。気にするなよ鬼山!!」
桃は桃なりに俺に気を使っているようで俺を励まそうとする。
普段の俺だったら、「ウルセー、桃。お前に気にされる筋合いはねーよ。逆にキモイ」って逆に笑いとばしてやるところだが…はは…やべぇ…苦しい。
今回の俺は桃に反論する余裕もねー…。
平和?この状況を平和と言う少女は一体何なんだろうか?
「猿木さん」
ふいに少女の頭上から少女の名前が聞こえる。ティファニー 1837
猿木、どうやらこの金髪の人形のように可愛い子の名前のようだ。
猿木の頭上にはギンギンと熱い太陽以外には何もないはずなのに…。
「ぁ?白フクロウじゃん!!」
猿木は、はるか頭上にいる白いフクロウに向かって指をさす。
「こんにちは」
「こにゅちは(舌かんだ)白フクロウ?」
白フクロウはスゥーっと猿木の肩にとまり羽を休める。
真っ白な羽は気のせいか湿気をおびていて、白フクロウはとても暑そうに思えた。
「ここ(地獄)はまるで、鉄板に焼かれている卵焼きのようにジュージューと熱いから嫌ですよ」
白フクロウは不愉快そうに首を90度にしながら、猿木にそう告げる。
「早くいったほうがいいんではないですか?猿木さん?」
「下界のことを早く言え――!!バカフクロウ」
「私がバカフクロウだったらアナタは、微生物です。いや、それ以下です。でもしかし…ナゼ今回あの子を鬼に選んだのですか?」
白フクロウがはるか上空で走っている猿木に尋ねる。
猿木は息を切らしながらでも、ニッコリと白フクロウに微笑みながら言う。ティファニー ロック
「それは…彼が可哀そうなくらい可愛いからだにょ(舌かんだ)」
「……よく意味がわかりませんよ」
白フクロウは苦笑をした。
バサ―――
そして一羽ばたきをして、赤い空へと白フクロウ消えていった。
乾いた赤い地面には、白い羽1つ落ちているのみである。ブルガリ ネックレス

ティファニー シルバーは楽しみでもあるようだった

短く礼をして、槌也は先へ駆け出した。
 その姿が瞬く間に消え、水野から付いてきた女房が不安そうに囁き交わした。
「何事でしょう?」
「行列を止めるなど……」
「まあ、怖い事でなければよいのですけど」
 実は槌也は水野の家臣に評判がよくない。
 それなりの美丈夫ではあるものの、野趣の強さと、僧でもないのに結えないほどに短く切られた髪のせいである。
 他は体裁を整えてはいるものの、それだけで由緒正しき水野家のご家来衆には奇抜なのだ。
 地元での噂を耳にしたものもいる。
 おかげで槌也に対する水野家の家臣の態度は──一部を除き──もちろん夏姫と楓だ──腫れ物に触るようなものだ。
 槌也につけられた補佐役──実質上の警備責任者の初老の男が、駕籠の脇でひざをつき、夏姫に詫びた。
 土御門の領地は皇都より南にある。女足にあわせてゆるゆると歩みを進めていた。
 駕籠に乗るのは夏姫一人で、それを囲むように腰元がつき、さらにその回りを護衛のものが固めて歩く。後ろからは荷物を積んだ馬や荷車が続く。
 休み休みの行列で、それほど距離は稼げない。脚の弱い女中に強行軍などさせられないのだ。
 鄙びたのどかな景色が続く。何事もなく、欠伸が出そうなのどかさだ。
 それでも滅多に皇都、いや、屋敷から出ない女中達にとって、それは楽しみでもあるようだった。
 槌也は一人行列が見えなくなるほど先へ駆け抜けた。途中曲がり角があるためすぐ見えなくなったが、もし誰かがその速さを見ていたら眼を剥いただろう。人の脚に適う速さではない。
 槌也が足を止めたのは、一行が通る予定の道の中で、片側を崖、もう片側には茂みや林などの遮蔽物の多い人気のない道だった。
「おい」
 槌也は藪の辺りに声をかけた。
「そこに隠れている奴等、今からここを水野家姫君の御一行が通ると知ってのことか?」
 答えはない。しかし、槌也は続けた。
「そんなに殺気を出してちゃあ、一里先からでも分かるぜ。俺は鼻が利くんだ」
 答えはない。しかし、藪に潜む者の殺気が膨れ上がった。槌也は目を細めた。
「殺(や)る気かい? 面白いが、俺は、人間は相手にしねえんだよ。隠れているんなら、通り過ぎるまでそのままでいてくれや」
 槌也が何かを撒くように手を振った。その瞬間、臭いが動いた。
「へえ、避けるかい。視えるのか? まあ、いい、一人ぐらい動けても、他の奴はどうかな? 動けねえだろ? 見殺しにするか?」
 槌也は姿の見えない相手に向かって続けた。ブルガリ ネックレス
「出てくるなよ? 何もしなけりゃ、こっちは見逃してやる。仲間も、後で動けるようにしてやるさ」
 藪の中の殺気が消えた。
「そうそう。いい子だ。林の中の仲間にも言っておきな。弓なんぞ置いとけってな。金物の臭いがするぜ。さすがに鉄砲はないようだが、姫にもしものことがあったら、皆殺しにしてやるぜ」
 言うだけ言うと、槌也は踵を返して駆け戻った。
 一方──槌也が駆け戻る姿を藪の中から見送った柚月は震えていた。
 柚月の霊眼は、槌也が細い細い糸のような霊気を撒き散らしたのを確かに見た。ティファニー ロック
 とっさにそれを避けられたのは僥倖だったが、それさえも相手に知られていた。
 霊気の糸に触れた仲間は硬直している。お狩場であったとき、単なるろくでなしにしか見えなかった土御門槌也だが、あそこに結界を張った張本人だったのだ。
 皇都で剣を学んだということは聞いている。由緒ある流派の、免許皆伝を十五までに実力で勝ち取った腕前だと──しかし土御門槌也が妙な能力の持ち主だとは聞いていなかった。ティファニー 1837
 情報に手抜かりがあったようだ。
 柚月は言いようのない恐怖に襲われ、全身に汗をかいた。
 不自然な体勢で固まっていた仲間が力尽きたようにくず折れて、柚月は駆け寄った。
 命に別状はないようだが、全員息を切らせている。ティファニー
 仲間を抱えた柚月の耳に、槌也の声が響いた。
「見逃すのは一度だけだ。俺は人間とは戦いたくないが、立場ってものがあるんでね。水野の姫に手を出したら、次は斬るぜ?」
 それだけ言うと槌也は一行を追いかけて走っていった。
「あいつは一体、なんなの……」
 柚月にとって土御門槌也は捨てては置けない存在となった。グッチ

俺は左手のグッチ リングを青魔法のリングに

そんなにダイレクトで言わなくても
「はあっ!どうやら仕留められなかったみたいだぜ!」
デブが大声をあげる。
「そんなに楽しそうに言わないでくださいよ。ここを突破されるともう後がありません。なにしろ他のメンバーは殆ど戦闘しているのですから」
くいっと眼鏡をあげる2組の男子。
「ありゃ。あれは雷炎コンビか?」
風原が顔を少し曇らせる。ティファニー シルバー
「雷炎コンビ?」
「ああ。雷の魔法使いと炎の魔法使いのコンビだ。炎を使うデブが仕法弦他(しほうげんた)雷を使う眼鏡が生田正二(いくたしょうじ)だ。しかも実質、あの2人の実力はコンビでならクラスのTOP3ときたもんだ」
それはかなりの実力者だ。しかし、そのTOP3がこんな所に居ると言うことは敵大将はすぐ近くに居るのかもしれない。
「はっ!俺たちを知っているのなら解るよな?ここから先は通れない事もっ!」ティファニー シルバー
そう言い放つと同時にデブもとい仕法が炎を手のひらから放つ。
仕法が俺に向けて炎を放とうとした瞬間、その横から風原が風靴魔法(ウィンドシューズ)で仕法に強烈な飛び蹴り蹴りを打つ。
「くうっ!」
しかしその蹴りは仕法に体を捻ってかわされる。
デブのくせになんて反応なんだ......!
「クソがアアア!!」
仕法が風原に炎を放つ。ティファニー 1837
しかしそれを飛行状態の風原は軽くかわす。
「神城!今だ!」
「ああ!」
俺は生田の雷を防ぎながら、空いたほうの手――――青魔法の左腕で仕法に狙いを定める。
魔神のリングで『Q』のリングは左腕に宿る放出タイプ。そして『J』は右腕に宿る打撃タイプだ。
自分が引き受けていた相手にその片手間で相方を撃破された事がショックだったのか、生田が驚いたような声をあげる。
「お前もそろそろ退場だッ!」
ガンッ!と生田の頭を横から風原が思いきり蹴飛ばす。
「......!」
そのまま魔法が解け、生田は気絶してしまった。
判定玉も赤く染まっている。ティファニー ロック
「ふう。俺の魔法、飛行能力がメインだから攻撃方法が基本蹴飛ばす事しかできないんだよな」
ハハハ。と風原が笑う。
資料のフィールドマップによればこの岩石地帯を抜ければあとは一直線なんだけど......
にしてももう2回も敵の襲撃を受けている。
今まで出てきた敵は一対一だったからまだなんとかなったけど複数で出てきたら正直危ないだろう。
そんな事を考えていると不意に俺の真上からヒュウウウッという音が聞こえてきた。
「くそっ!またかよ!?」
俺は即座に両腕の魔法を展開し、真上からの攻撃に備えたが
「うわっ!?待て待て待て!俺は見方だっつーの!」
よく見てみると、俺の真上に居たのは敵ではなく、風原だったって
「と、飛んでる?」
風原は俺の頭上をフワフワと浮いていた。ブルガリ ネックレス

初めはとても恐れ多く思ったティファニーリングです

講師はモデルの両肩を軽く叩いて微笑むと、素早く踵を返して足早に廊下へと出る。その背後を賺さず、三十代くらいの男性が追い駆けて来た。
「先生! この度はこちらの勝手な依頼をお引き受け頂き、誠に有り難う御座いました。さすがはプロだけあって教え方が一味違います。またいつかゲスト講師、是非宜しくお願い致します」
「いえいえ。こちらこそ描く事しか能がなく、他に何の知識も取柄もない無学なこの私などを、ゲスト講師として迎えて頂けただけでも光栄の極みです。寧ろ果たしてきちんと講師役を務められたのかが、一番の不安要素ですよ」
 二人は廊下を歩きながら言葉を交わす。
「この前の先生の個展を訪ねさせてもらった時、先生こそに是非一度ゲスト講師をお願いしたいと思ったんです。先生とお知り合いになれて、こちらこそ光栄ですよ」
「はは……。大して自分と年層の変わらない生徒に、生意気にも弁を振るうなど、初めはとても恐れ多く思ったものです。本件の事は改めて、あなたに私の存在を紹介しゲスト講師に勧めた…… ―――――― 人文科学のスレイグ教授に、お礼を申されたら良いでしょう」
 そうその者は静かなハスキーボイスで言うと、フッと微笑を見せて立ち去って行った。ミリタリーファッションに、メタリックシルバーのロングジャケットを颯爽となびかせて。
 その姿を、先程その講師から身近で教えられた女学生が、密かに見送っていた……。
一人のその女学生の友人であろう、別の女学生が駆け寄ってくるや、そう捲くし立てた。
「純粋だって……言われた」
「え?」
「君の目は……汚れなき美しい目で……純粋だって、目を見詰めて言われた。こう……顔に手を当てられて……」
 あやめと呼ばれた女学生は、ポーとしながら呟いた。
「えーーー!? あんたもうタッチ&口説き落とされたのぉ?!? いいなー! うっらやましー!! もしかして、結構軽い男なのかな!?」
「そうじゃない。あくまでも生徒として講師の上でそう言われたの……。授業の一環として……。でもどうしよう……。忘れられない! あんなに熱く優しく見詰められたの、あたし初めてで……! ……恋、しちゃったカモ」
 あやめは顔を真っ赤にさせて両頬に手を当てながら、友人に告げた。
「キャーーー!! 何だかんだであやめってば、しっかり面食いじゃ?ん! ちょっと! ゲスト講師なら次いつ会えるのかも分かんないわよ! 声掛けるんならもう今日しかないって!!」
「え、ヤダ! どうしよう! あたし……」
「バカね! メルアドとかメモッた紙を渡して逃げる(ランナウェイ)よ! あとは運次第! 返事が来ればその気あり。なければアウト。ティファニー シルバー分かった!?」
「う、うん!!」
 あやめは大きく頷いた。
 レグルスは低い声で静かに意地悪そうに言いながら、駐車している愛車の黒いクラウンの運転席に乗り込む。
「まぁな……。人に自分の趣味を教えられる腕が、思いの他ある事に気付く事は出来た……」
「先生! 待って下さい先生!」
 背後から聞こえる女学生の声に纏依は振り向く事無く、さっさと車に乗り込んでいるレグルスに視線を向ける。
「おい。レグルス。呼んでるぞ。さっさと車から……」
 しかしレグルスは無表情のまま一切降車する気もなく、纏依の背後の様子を伺っている。
「在里 纏依(ありざとまとい)先生!!」
「え? ……俺?」
 纏依はキョトンとして自分自身を指差し立ち止まるのを、レグルスがフロントガラス越しに首肯する。
 ゆっくり振り向いて見ると、そこには息を弾ませているあやめがいた。ティファニー 1837
「……おや。確か君は、私が授業で詳しく説明をした生徒だったな。どうした一体。大丈夫か?」
 纏依は息を切らして前屈みをしているあやめを労わるように、そっと両肩に手を置いてから背を反らす姿勢で、顔を傾げる様に彼女の顔を覗き込む。
 すると姿勢を戻して改めて、纏依と向き合う格好になっている事に気付いたあやめは、カァッと顔を見る見る赤らめる。
そして纏依がその紙を手にした瞬間、再びあやめは猛ダッシュでその場を走り去って行った。ティファニー ロック
 中には、彼女のメルアドと携帯番号と名前が書かれてあった。
 『星野 あやめ。二十歳』
 ご丁寧にも年齢まで書いてある。どうせここまで書くならせめてもう一歩、生年月日までしたためて欲しいものだ。
「……おおぉ……!! こ、こ、これ、は……これはぁっ!!」
 纏依は目を輝かせて驚愕を露にする。
 ちなみに、纏依(まとい)と言う名の男はこの世に存在する。今時、女性的な男の名前、男性的な女の名前は増えてきている。ブルガリネックレス

両手にはティファニー ネックレスの入った籠を持ち

学年関係なく、二十余人いる部員の大半が一斉に手を伸ばし、齧り付く。
当然仁の胃も食物を求めていたが、鳥羽の出現でそれどころではなかった。関係ない部活にまで足を踏み入れる鳥羽の魂胆が分からない。
ふと目の前を誰かが横切り、部室棟へ向かって歩いていた。両手にはボールの入った籠を持ち、口を動かしている節はない。同級生の山岡(やまおか)だ。
甘い物が好きじゃないのかと思った矢先、近くで砂を踏む音がした。
「はい、あーん」
声のした方向を振り向くと、中途半端に開かれた口に何かが詰められた。歯を立てると簡単に割れ、舌の上で柔らかい感触が広がる。
……甘い。砂糖が所々で固まっている。
「それ、俺が作ったんだけど」
甘すぎる味に眉を顰めたまま見上げると、苦笑を浮かべた鳥羽がいた。無視したいのは山々だったが、さすがにこの味は酷すぎる。
ケチと言い残し園田は再び大皿の方へと行ってしまったが、殆ど残っていないだろう。そんなことよりも、差し出された袋が気になる。サッカーボール一つ、入りそうだ。
「もっかい言うけど、これ、仁の為に作ったんだ」
「でも、こんなにいらな――――」
「勿論全部食べてくれるよな?」
唇の両端を吊り上げ、首を傾げて窺うような素振りだが、目は全く笑っていなかった。暗く、底冷えしそうな色を携えて問うその姿に、運動後の熱の残る体にも関わらず、四肢が震えた。
『拒むことは許さない』。耳元でそう囁かれているみたいだ。
「う、ん……」
ぎこちない動きで、仁は受け取った。
それからというもの、休日練習以外のほぼ毎日、鳥羽は仁に調理部で作った差し入れを持ってきた。誰かに分け与えることが許されないその量は半端ではなかったが、仁はどんなに不味く苦しくとも、きちんと自分の腹に収めた。
いくら運動部に入っていて過大な練習量をこなしていたとしても、摂取カロリーが消費カロリーを上回っていれば、当然脂肪が付く。中学に入学して二度目の身体測定を迎えたときには、仁の体重は中学二年生の平均数値を大幅に超えていた。原因は言うまでもなく、鳥羽の作った菓子類である。毎日半端でない量を胃に収めるのだから、否応なしに太る。それでも仁は鳥羽に逆らうことができなかった。菓子を渡す鳥羽の目を見れば、萎縮し、逆らえなくなる。ブルガリネックレス
「仁、何読んでんだ?」
肩に手を回されると同時に、本を取り上げられる。以前教科書に載っていた文学小説だ。教科書の一文を読んだときは特に何も思わなかったが、こうして全文に目を通すと面白いものだということに気付き、少しでも時間を作れたら本を手に取るようになっていた。しかし学校にいるときはこうしてしょっちゅう邪魔をされる。
「この本はそんなに面白くないだろ。それより話そうぜ」
鳥羽は仁が本に興味を持ち出したことを知ると、同じように文学を中心に読み出した。雛が親鳥を真似るなんて可愛いものではなく、所有物の行動を把握していなければ落ち着かないというのが本音だろう。
学校内ではそんな素振りを見せないが、家で読んでいるらしい。最近では本の話題が語り草の一つとなっている。
「あらまー、肩なんか組んじゃって。俺達にラブラブをアピってるわけ?」
卑下た笑いを浮かべながら寄ってきたのは、剣と入れ替わりでクラスメイトになった園田だ。新学期が始まってからは顔を合わす度に、こうした嫌味を言うようになった。仁はそれが辛かった。
鳥羽の過剰なスキンシップが周囲の冷やかしを沸き起こし、更には仁のストレスを蓄積させた。
発散口が見つからない不快感が無意識の内に体を蝕んでいることを、仁はまだ知らずにいた。
幼少時からフットサルで鍛えていたという山岡にはさすがに劣るが、仁の実力は練習時より発揮された。しかし同点で引き分けかと思われた終了間際、失点を許してしまう。仁が転んで受け損なった、オウンゴールという形で。ティファニー ロック
「お前、あんな所で転ぶなよ!寄り集め部員の西中に負けたなんて、恥もいいとこだぞ!」
ミーティングで部員全員が揃っている中、大文字は頭ごなしに仁を怒鳴りつけた。確かにオウンゴールで逆転されたのは事実だが、仁の奮闘ぶりを見ていれば、足が縺れて転んでしまったのは仕方がないと皆思っていた。しかし大文字の迫力に押され、固唾を呑んで見守るしかできない。キャプテンである大文字も、もちろん頭では分かっていたのだが、選手を引っ張っていかなければならない立場にあるのに、思うように動けなかったという悔しさが、最後にミスをした下級生に牙を向けてしまったのだ。ティファニー 1837

きっと私のグッチピアスを心配してかけてきてくれてるんだ

典子ちゃんは、ときどきお母さんみたいだ。どんなときでも、何をやるにも、いっつも一番最後になる私を忘れずに待っていてくれる。今日の電話も、きっと私のことを心配してかけてきてくれてるんだ。
「そっちは寒いでしょ?」
「うん。でも、雪がすごく綺麗なの」
「へぇ……いいなぁ。私も今度、彼氏にボード連れて行ってもらおうっと」
「あ、そうだ。あのね、私も今日、ボードやってみたよ」
私がそう言うと、典子ちゃんはすごく大きな驚きの声を上げた。耳がキーンってなる。
「ウッソ、雪奈が?! できたの?」
「うん…まぁまぁ、かな。コノハって言うのができるようになった」
「本当? すごいじゃん」
「でもたくさん転んで、アオアザいっぱい」
 お風呂に入ったとき、鏡見て驚いたもん。膝とか、腕とか、アオアザって言うよりなんかグロテスクな紫色になってた。
「うん。あ、もうこんな時間じゃない。明日の朝、早いんでしょう? そろそろ切るね」
典子ちゃんに言われて時計を見たら、いつの間にかビックリする時間になってた。今からすぐ寝ても、六時間くらいしか眠れないなぁ。疲れてるから、八時間くらい眠りたいけど。
「うん。典子ちゃん、電話ありがとう」
「また電話するよ。じゃあね、おやすみ」
「おやすみ」
 ケータイを閉じて枕元に置くと、私は目を閉じた。ブルガリネックレス
我慢して、とりあえずアラームを止めた。
 二の腕を擦りながら寝返りをうとうとしたら、身体中が筋肉痛になっているのがわかった。脚も腹筋も痛い。
 やっぱりなっちゃった、筋肉痛……。なるよね、そりゃ。普段全然運動してないんだもん。でも、一日で来たんだからヨシとしておこう。
 ぎしぎし言う身体を叱咤して、私はなんとか布団から這い出した。
 屋内は暖房施設が完備されてるから、部屋の中はむしろ大学の下宿先よりも暖かい。
 頭がぼーっとする。私、低血圧だから、朝、弱いんだよね。
 眠い目を擦り擦り顔を上げると、側に置いている姿見に、大きめの薄い桃色のパジャマを着た自分が映っているのが見えた。寝起きっていうのもあって、なんだかすごく情けない感じだ。
 あ、寝癖が出てる……。
私が俯き加減で言うと、昴さんはくすりと笑った。
「昨日がんばったし、未だ身体が疲れとるんやな。欠伸も出るはずや」
 あぁ、やっぱり、見られちゃってたんだ。恥ずかしいなぁ。昴さんの方、向けないよ。
 待ってたら、先に行ってくれるかな。
 私は俯いて昴さんのつま先を見つつそのままちょっと待ってみたけど、昴さんは全然動かない。不思議に思って様子を見ようとしたとき、昴さんの手が私の頭にぽんと乗った。今度はそのせいで、前を向けなくなる。
「あの、昴さん……?」
ちょっと困って私が声をかけると、昴さんが言った。
「雪奈、その格好のまんま、あんま部屋の外に出えへん方がええよ」
 頭の上から、昴さんの手が離れた。重さがなくなって、ようやく前を向けるようになる。ティファニー ロック
 昴さんを見ると、悪戯っぽく笑っていた。
「ま、オレとしては、パジャマ姿の色っぽいネエちゃんやったら、いつでも何人でも大歓迎やけどな?」
 そう言われて初めて、自分の状態を意識する。
 私、パジャマ一枚だ。パーカーも着てない。それに、寝起きだし、寝癖も立ってるし。
 嘘――――っ!?
 は、恥ずかしすぎる……っ。
「あはははは、雪奈、また顔が、真っ赤っ赤ぁや。そのまんまやと冷えるさかい、風邪引かんようにしぃや」
昴さんはそのまま、手をひらひらと振って廊下の向こうへと歩いて行く。
 夕食の後片付けも終えて、お風呂にも入って、歯も磨いて、ちょっとみんなで雑談して、後は寝るだけ。ボードで疲れた身体を布団に横たえた状態で話す。
「そ? 泣いてない? バイト先の方々に迷惑かけてない?」
「だぁいじょうぶだってば」
私は苦笑しつつ答えた。
 典子ちゃんは、ときどきお母さんみたいだ。どんなときでも、何をやるにも、いっつも一番最後になる私を忘れずに待っていてくれる。今日の電話も、きっと私のことを心配してかけてきてくれてるんだ。
ティファニー 1837